はい、ということで始まりました。劇画狼のエクストリームマンガ学園!
改めまして自己紹介をしておきます。漫画始末人、劇画狼と申します。普段はなめくじ長屋奇考録というブログでエロ劇画やコンビニコミックスを適当に紹介したり、自主レーベル・おおかみ書房から問題ある本を出したりしています。 今回、よくわからない流れで「絶版になっている幻の作品」や「単行本に収録されてないけど俺だけは一生忘れない作品」を独断と偏見で好き勝手にWEB復刻してしまっていいよ! とリイド社さんが言ってくれたので、全マンガ読みの夢みたいなこの企画がシレっと始まりました。

で、サイコ工場です。このお話をいただいた時にまっ先に頭に浮かんだのがコレでした。
なにしろサイコ工場といえば、90年代ホラーマンガを語る時、コアなファンのほぼ全員がベスト5に入れてくるほどの大傑作。なのに単行本は1冊しか出ておらず絶版という状態で、作品もファンも今日まで涙を飲み続けてきたわけです。そりゃもう「誰もやらないのなら俺がやる!」と燃え上がるしかない訳ですね。
で、やってやる! と、勢いよく啖呵を切って飛び出したわけですが、よく考えてみれば作者の谷口トモオ(a.k.a矢口順一)先生は筆を折られて行方が知れないから復刻の話がどこからも出なかったわけで。このままでは企画が成り立たない。いきなり大きな壁にぶち当たってしまい大ピンチ! どうしよう!?
3日後、僕は谷口先生に電話をして許可を取りました。やったー。(楽勝すぎて経緯は全省略)

さて、この「セイギノミカタ」ですが、どうですか皆さん。無駄なものすべて排除して「切れ味」にステータス全振りしたソリッド感よ。
実はこの作品、単行本化の際に大幅に修正されており、雑誌掲載時は「警官が撃った弾を主人公が弾き返して女の子死亡、そのまま警官をカカト落としで殺害、そして周り全員巻き込んで地獄絵図、やったぜ俺セイギ!的な事を、幼稚園児の主人公が夢想している的な内容だった(かなりはしょってます)」そうですね。まあそれはそれで最高なんですが、「こんな簡単にカタルシスを得られるマンガを描いちゃイカン!」という先生の謎の判断でこういう形に落ち着いたそうです。全然落ち着いてはないですが。
元ネタ的なものはなんなのかと聞いてみると、これは谷口先生が書かれていた「昨日見た夢ノート」を元にした作品との事でした。
先生が乗っているバスに犬を連れたおばちゃんが乗ってくる→その犬は悪の組織が谷口先生を殺すために召喚した悪魔だ→偶然持っていた毒入りドッグフードでぶっ殺す!→何も知らないおばちゃんに責められる的な夢。人に伝わらない正義ってホント難しいですよね。
将太の寿司も、分かり合えないそれぞれの正義がぶつかり合ういいマンガです。

最後に、今回の公開にあたって谷口先生に「20年間作品を愛し続けてくれていたファンや、今回新たに知ってくれた方に一言」という形で温かいコメントをいただいて第一回をカッコよく締め、この企画の信頼度を爆上げしようと思ったんですが、答えは「特にありません」との事でした。は~い。

《初出》サイコ工場単行本 平成9年9月6日発行  @リイド社
セイギノミカタ  戦慄!タコ少女 総集編vol.1 1996年
更新日

劇画狼

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マイナーマンガ紹介ブログ・なめくじ長屋奇考録の管理人&特殊出版レーベル・おおかみ書房編集長。得意ジャンルはエロ劇画とコンビニコミックス。好きなマンガは将太の寿司。