前回のコラムの最後で、「次回、ホラーマンガに於ける『切れ味』とは何か、現役作家最高峰の力を見せてやる」と言っていたことをみなさん覚えておいででしょうか。
あと、『ホラーマンガがホラー雑誌に縛られずに一般誌で好き放題暴れるにはどうするか』ということに関して、「一般誌に殴りこんで、ライトなマンガ読みをホラーマンガの虜にしてきてくれ」と思う作家さんが個人的に3人いるということも。
それが、このエクストリームマンガ学園でも紹介させていただいたオガツカヅオ先生、
そして黄島点心先生。そして今回の最後の一人。
ありがとうございます。呪みちる『鬼貫きの針』です。
どうですか? このソリッド感。今あなたが持ってるスマホの角で指が落ちそうになるでしょ。
これをどうしても読んでほしすぎて、呪先生作品の中では余裕でメジャーな作品をやってしまいました。本来「単行本未収録作をサルベージ」的な方向性で始まったこの企画なんですが、この作品は買おうと思ったら比較的簡単に手に入りますからね。(2013年『ライオンの首』収録)
自分で作ったルールなんて、自分で破る分には「節操ない」って言われるだけで済みますから。元々プライドもないし、平気で企画の方向性を変えます。
まあそうしてでも「呪先生を」と思った理由ですが、そもそもこの企画でホラーを多く扱ってるのって「レアな作品をディープなホラーファンに向けて」ではなく、普通のマンガファン&マンガは読まないけど面白いものは好きという層に「人間が作れる『限界まで面白いモノ』は、ホラーマンガの中にいくらでもあるぞ」って言いたいからなので。
冗談抜きで「ホラーファンの常識」を「マンガファンの常識」にしたいし、5年後10年後には「面白いものの常識」になればいいと思っています。(いいこと書くのが苦手なので、原稿作業が難航しています。これを書いている現在、締め切りをとうに過ぎています)
あと、「眼」で語る情報量が異常。個人的には藤田和日郎と呪みちるが「眼のツートップ」です。※個人的意見です
そんなこんなでアレですが、決して「珍しいものを読みたい」コアなファンをないがしろにしているわけではなく、呪先生の単行本未収録作品も1本お預かりしていますので、近日中に公開予定ということでひとつよろしくお願いします。
あと急に重大告知をしますが、
呪みちる初期傑作選Ⅲ「真夜中のラジオ体操」、2017年夏頃発売決定とのこと!!
やったぜみんなで呪先生を応援しよう。
詳細は多分ここで! http://www.trash-up.com/
その他既刊、「ライオンの首」「人造人間の怪」「火星高校の夜」は比較的手に入りやすいので是非。
次回エクストリームマンガ学園は5/27です。
《初出》 「ライオンの首」 2013年 trash-up
《呪先生情報》
公式ブログ・掲載情報 http://noroimichiru2011v.blog.fc2.com/
恐ろし屋 呪みちるページ https://osoroshiya.com/creator/noroi-michiru/
↑色々無料で読めます。この中での個人的好みは「人造人間の怪」と「炭焼き又六」
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