43. エクストリームマンガ学園036　劇画狼が選ぶ、2018年のオススメマンガ40個くらい！

ということで、今年も今年もエクストリームマンガ学園をありがとうございました。
今年の9月にエクストリームマンガ学園は第一部完になって一旦休止中ですが、今年も「仕事以外で普通に読んでいるマンガって何？」の紹介をしておこうかと思います。
去年はこれ→
エクストリームマンガ学園025　劇画狼が選ぶ、2017年のオススメマンガ40個くらい！
http://leedcafe.com/webcomic/exmanga025/

大体去年と一緒の諸注意
注１）　｢知らないマンガを教えてやる｣ではなく、ただ｢今年個人的に楽しんだものを挙げる｣なので、現時点で既に有名なものも、そうでないものもバラバラです。来年メチャクチャ流行るものもあれば、すぐ打ち切られてしまうものもあるかもしれません。でもそれは｢今年自分が面白いと思った｣こととはあまり関係ないことです。
注2）　ランキング記事じゃないです。これを書いている人はマンガの面白さに対して｢同率1位あり｣のスタンスなので、紹介文に｢今一番面白いマンガ｣とかよく出てきますが、他作品を貶める意図はありませんし、紹介していないマンガにもたくさん｢今一番面白いマンガ｣があると思います。
注3）　コメントはニュアンスでホニャホニャ言ってるだけ＆リンクも貼ってないので、詳細は調べてください。画像は12月上旬での最新刊、単行本未発売のものはWEB上のバナーとかです。


ということでいつも通り楽しんだものから。

『衛府の七忍』
山口先生の本質はネットで流行っているような迷言とか｢本気かネタか分からない｣的なノリではなく、ただ純粋にかっこいいことと可愛いことだと思うので、沖田編のバランスは異常です。未読の方に簡単に説明すると、物語の前後をすっ飛ばして、沖田総司が何の説明もなくタイムスリップします(説明になっていない)

『概念ドロボウ』
田中一行先生の作品はだいたい第一話で｢あっ！　推薦図書！｣となるので、ぜひ読んでみてください。｢犯人探し｣と｢そもそも何が盗まれたのか｣の謎解きの同時進行、アツいです。

『はぐれアイドル地獄変』
今年も相変わらずの「異種格闘技トーナメントを主人公以外の試合も全部やる」タイプの作品でぶっちぎりのスピード感で、6巻後半でスタートした32名トーナメントの1回戦の半分以上が7巻までで決着する。個人的に｢どっちが勝つか分からない｣と｢勝負の行方が二転三転する｣は別モノだと思っていて、両者が強さを見せつつも試合自体は短期決着なことが多いこのマンガは気持ちがいい。

『カムヤライド』
久正人が仮面ライダー(的なもの)を描いて面白くならないわけがない。たぶん2巻以降で、いつも通りの恐ろしい｢マンガの形をしたパズル｣が仕掛けられていくんだと思うし、どう考えてもアニメ化の未来が見えます。

『お主もワルよのぉ』
越後屋は悪代官より楽勝で悪いマンガ。決めゴマが決まっているマンガはかっこいいので、連載不定期っぽいけど続いていってほしい。

『もも姫』
謎のドイツ人漫画家が描く伝奇SF桃太郎。絶倫女性器を持った女桃太郎が鬼の精気を吸い取ってミイラ化して殺す旅を超上質のSF/伝奇的解釈で仕上げきっていて、キビ団子でハイパー化したり性別逆転したり作者が謎のドイツ人だったりと異様に情報量が多い。今年トップクラスに面白かった「全1巻のSF」。

『雪と松』
なんというか、めちゃくちゃい(説明が雑)　BLは全然詳しくなれないので、こういう感じのやつもっと読みたいですね。

『金剛寺さんは面倒臭い』
ご縁あって読み切り版をウチで紹介させていただいて、当初は「短編集出たらいいなー」と思ってたら、まさかの連載化が決まって、決まった以上はすごいことになるなと思っていたら年末のランキングなどにも入ったようで、とてもうれしい。毎回自由なマンガ表現が続いていて、結果度外視でやりたいこと全部試してるな感がすごい（し、結果が出ている）

『もっこり半兵衛』
下ネタギャグの人という記憶だけが残っている人、これ読んでください。徳弘先生もしかしたらずっとすごかったんじゃないの！？　と、過去作全部読み返したくなる逸品。集大成にして入門編でもあるというか。

『愛と呪い』
最高にスリリングです。まだネットがなかった時代の｢都会じゃないどっかの街｣の子供がめちゃくちゃな閉塞感の中で酒鬼薔薇事件やオウム事件も起こる半自伝。読んでて吐きそうなマンガはだいたい推薦図書。

『ゼツ倫』
全キャラクターの全行動原理と咄嗟の判断のすべてが間違っている。間違った人間しか出ない。最高のマンガだ。

『惑星クローゼット』
次の巻を読むのが楽しみで不安でしょうがない、すごいマンガ。この「読みたいんだけど読みたくない」感のバランス、すげえな。

『悪魔を憐れむ歌』
愛してるよ。

『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』
電波人間タックルの全脱力の立ち姿が本当にすごい。人は、なりたいものになればいい。

『アイアン・ゴーストの少女』
全てのキャラが死ぬために華々しく登場する。とにかく1巻を読み終わったときの｢最高に俺が好きすぎるマンガが始まった最高｣な感じがすごく、結局2巻で終了してしまったけど、そんなことはこのマンガが面白いこととは何の関係もない。

『仏像パンク』
野生の仏像を壊すマンガは、第一話を読んだ時の｢最高に俺が好きすぎるマンガが始まった最高｣感を強烈に感じ、好きなマンガが短命で終わることで自分がそのマンガを楽しんだこと自体が否定されることは一切ない。

『全生物に告ぐ』
基本、動物の能力を持った者同士が戦う系のマンガは全部買うことにしているけど、この作品は絶滅動物の能力者に対してヤンキーが素手でタイマン張る謎の展開なので最高。これも来年に2巻が出て完結しますが、俺はとても好きです。

『ヤオチノ乱』
現代忍者バトルはけっこう地味でリアルなのでとても楽しい。忍術バトルじゃない、スパイとしての忍者の話。登場人物の大半の目つきが最悪なので最高。

『髑髏は闇夜に動き出す』
89歳末期ガン患者の復讐劇。良質なバイオレンスありつつオチもヒヤリとしてて、きっちり引き締まった全1巻。

『36度』
こういう→ 悪いセックスの話がたくさん載っている。ゴトウ先生は『夫のちんぽ』のコミカライズもバッチリ決まってるのですごい。悪いセックスのマンガは面白い。

『サヨナラコウシエン』
2018年トップクラスの感動作品。なぜこんな素晴らしいマンガがリイドカフェに載ったのか。(問題発言)

『銀河の死なない子供たちへ』
火の鳥未来編のアンサーマンガ。と言っても言い過ぎではない感じですごい。一気読みしてください。

『それはただの先輩のチンコ』
悪ふざけで第一話をエクストリームマンガ学園で紹介したらあっという間に連載が決まり、｢このマンガを読め！｣で5位にランクインしてしまった。『金剛寺さん』が評価されるのは分かるけど、このマンガについてはよく分かっていない。阿部洋一はちょっとどうかしている。

『死都調布』
ざらざらで、乾いていて、べとべとで、ぬるぬるで、湿っていて、飢えていて、満たされている。最悪としか言いようがない。全員読んでほしい。

『恐怖の口が目女』
なぜこんな行き当たりばったりで描いてるくせに最終的にちょっといい話になってるんだ。｢1巻と最終巻で絵柄が全然違うマンガ｣はたくさんあるけど、｢2～30ページごとにどんどん絵がうまくなっていくマンガ｣って何なんだよ。

『魔法はつづく』
ウチの企画で収録作を3本公開してるので、ここからオガツ作品を探して読んでください。
http://leedcafe.com/webcomicinfo/exmanga/
幻想/怪奇短編集として、本当にとんでもないものになっています。

『黄色い円盤』
黄島先生、今年もアクセルベタ踏みで狂っていた。この人の奇想ホラーは人類の宝なので、絶対的に単行本を手元に置いといてほしい。

『僕らの鬱』
こういうのも楽しく読みます。

『ふたりエッチ外伝　性の伝道師アキラ』
スピンオフなのに編集部から｢本編とは一切関係ありません｣と突き放されている時点で世界一面白いマンガ。宇宙一面白い。



あとは単行本出てないやつだと、

『東京入星管理局』

『アマゾネス・キス』

『パンダ探偵社』
『いんへるの』

あたりですね。パンダ探偵社はこの記事が公開されていることには単行本出てると思います。アマゾネス･キスも1月発売とのこと。
結論としては『キン肉マン』が一番面白いんですが、今年はこんな感じです。
今年は読書量(※ここで言う読書量とは、単行本が出たから読んだ数ではなく、単行本が出るか出ないかをワクワクしながら連載を追いかけている作品の数)が落ちてしまって反省しています。もっとアレしないといけない。

あとは、引き続きリイド社とのコラボ活動で、2/12〆切でプロアマ不問のマンガコンテストをやってますので、短編集になっていない読み切りがたくさんあるプロ作家さんとか、一度原稿見せていただけると嬉しいです。僕の好みだった場合、爆速でリイド社編集会議にかけてもらう流れを作ります。

あと、このコンテストとは全く別で、リイド社に単行本化のための企画を持ち込んでいる作品が2作ほどあって、多分それが何とかなりそうなので、夏までには発売できるよう進めてみます。それが何の作品なのかは、俺は意志が強いので言いませんけども。